カエルの歌
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2011年5月10日
ここ湘南平塚は
田舎と都会が程よくブレンドされ
住み良い街です。
緑豊かな大山、高麗山がゆったりと構え
富士山の堂々とした姿と共に季節を飾り
山から流れ出る金目川は青空を川の流れに抱き、湘南の海へと繋がります。
そんな自然に囲まれた環境ながらも、
交通の便が悪いわけでもなく
お店が少ないわけでもなく
いたって不便はありません。
車を走らせれば
のどかな田畑の風景が広がり
窓を開けて走れば季節の風が心地よく吹き抜けていく
そんな場所です。
今日は夕方家族と江ノ島の方まで出かけ
夕食を食べて来ました。
帰り道、もう外は真っ暗。
海岸沿いの道を走り、駅の近くの騒がしい通りを抜け、田んぼ道をもう少し行くと我が家というところで
三歳の娘が機嫌を崩し泣き始めました。
車内に響く泣き声。
だんだんみんなイライラしはじめます。
でも、よく耳を澄ますと外からも自然の鳴き声が聞こえます。
「かな!かな!(娘の名前)
何か聞こえるよ。何の声かな?」
すると、スーッと泣き止み周りを見回す娘。
窓の外は暗くて見えませんが田んぼが広がっています。
六歳の息子が
「わかった!!コウモリでしょ!」と声を張り上げます。
「え…なんでコウモリ?」
とたずねると、
「夜だから!」
と自信満々に答えます。
「ブッブー。はずれ!ヒントはぴょんぴょん跳ねるよ」
と、大ヒントをあげると
わかった!と、また声を張り上げて
でて来た言葉は…
「カンガエル~!」
(えー!何そのカンガエルって。いったい何者??)
すかさず、
「あっ、間違えた!カンガルー」
(そっちー!!カエルじゃないの?)
「残念!ブッブー」
と、はずれブザーをならすと
だいぶ声のトーンが下がりながら
「じゃぁ、ウサギ?」
(ちょっと待って、田んぼにウサギってどう考えてもおかしいでしょ。)
「いやいやいや、、、ところで泰成!ウサギって、どう鳴くの」
ウーンと唸る息子。
そこで妻のヘルプが入ります。
鼻歌で、あの有名なメロディーが。
♬♪♬♩(カエルの歌)
泣いてた娘もなんで泣いてたか忘れてしまったかのように
キョトンとしています。
妻の鼻歌に私の鼻歌も加わります。
♬♩♪♬
「わかった!!カエルだ!」
車内に響き渡る息子の声。
私も負けずに
「あったり~」と声を重ねました。
泣き声が充満していた車内がカエルの大合唱に助けられ
いつの間にかみんなの顔に笑顔が戻っていました。
そんな賑やかなやりとりをよそに、
カエルの大合唱はいつまでも
夜空に向かって響き渡っていました。
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