樹齢2000年の奇跡
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2011年3月20日
熱海に樹齢2000年の大楠があると聞き
行って来ました。
湘南平塚より海岸線を西南へ。
高速道路無料化の恩恵にあずかって
西湘バイパスを使い、車を走らせます。
左車窓に広がる青い海を横目にアクセルを踏み込みます。
そのまま真鶴道路を通過。
国道135号線の山道をくねくねと曲がりながら
走ること約一時間。
海岸沿いの道から山道まで
ドライブするには最適なコースを通って
熱海の町に入ります。
熱海は海岸に面した山間に作られた町。
非常に高低差のある地形に
見事なほどに建物が立ち並んでいます。
建物の間を縫うように
込み入った道を抜け、坂をあがっていくと
一気に視界が広がり目の飛び込んでくる海。そして町並み。
なぜか不思議と懐かしさがこみ上げ
記憶のどこかにそっと大切にしまってあった風景を突然見せられたような
初めてとは思えない、高揚感に包まれました。
そこから5分もかからない場所に
大楠があると聞いていた来宮神社はありました。
推定樹齢2000年。
幹周り、およそ24メートル。
10人手をつないでも一周回りきれない巨木。
平成四年度の調査で全国二位の巨樹の認定を受けている楠。
その大楠は、堂々と大地に根を張り
枝を四方に思いっきり伸ばして
私の目の前にただ、そびえたっていました。
2000年という時の流れ、歴史の証人を前に
ただ、自分の存在の小ささというものを
かみ締めることしかできませんでした。
こんな風に生きたい。
天に向かってまっすぐに立ち
どんな風雨にも屈することなく
優しく、暖かく、大きく、誰をも包み込む。
圧倒的な存在感。
それでいて包まれるような安心感。
その場を動きたくなくて、動けなくて
しばらく静かに立ち尽くしていました。
その姿を脳裏に焼き付けるように
その波動を自分に染み込ませるように。