食の人生観を変える食堂
前回の目隠しネタに続くようですが
人の味覚を論じるのに非常に興味深い食堂があると聞いたので
ご紹介します。
なんとその名も
「クラヤミ食堂」です。
名前のとおり、クラヤミで食事をする食堂なのですが
店内が暗いわけではなく目隠しで食事をするのです。
入る前に目隠しをされて、目隠しの状態で食卓まで案内されるという徹底よう。
しかも一緒に来た知り合いは別々のテーブルに案内され
知らない人と、何かわからない料理を、目隠しながら食べるのです。。
すごいです。
目隠しして楽しむレストランは
実は欧米中にあり、
その発祥はスイスのチューリッヒ。
視覚障害者でもあったある牧師が
視覚障害の人の気持ちを体験してもらい
障害者への理解を深めてもらうために
非営利運営のレストランで始めたものです。
日本のこのクラヤミ食堂は
シーズンごとに数日間だけ開店する幻のレストラン。
事前に発売されるチケットは口コミであっという間に完売してしまうほど
大人気だそうです。
でも常識を覆されるような感覚だそうです。
人が食事を味わうときに視覚が与えている影響は絶大で
普段は全然意識せずに
味なんて舌で感じているでしょうと思いそうですが
目隠しして食べるとそれが良くわかる。
普段おいしいと思っているものが、大しておいしいと感じなかったり
逆に苦手て食べれなかったものがおいしかったり。
普段は舌で味わう以前に視覚から入ってくる情報で
苦手なものは初めから「おいしくないもの」と
味覚に修正をかけてしまうのでしょう。
そこをなんの情報もなく味覚だけで味わいを引き出そうとするので
意外とおいしかったりするのだと思います。
そういう視覚の重要さを認識できるというのと同時に
とにかく視覚が奪われることで
ほかの感覚に頼らざるを得ない中
視覚以外の感覚が研ぎ澄まされます。
すると、ほかの感覚の重要さも認識できるのです。
いかに今まで味わってこなかったかと。
こんな味がするのかと。
なので「食に対する人生観が変わる」という人もいます。
こちらの食堂のキャッチコピーに
「この食堂であなたはもう一人のあなたに出会うでしょう」
とあります。
本当にそれくらいのインパクトがある食堂なんだと思います。
目隠しするくらいなら家でもできるので
ちょっとチャレンジしてみるのも面白いですね。