唾液の持つすさまじい底力
-
2010年10月20日
「唾液」とか「つば」というとあまりきれいなイメージはありませんが
口を守る役割をもつ唾液にはものすごい力があります。
まず酸性にかたむいた口の中を中性に戻していく力。
これを緩衝作用というのですが
pH2の強酸1mLをpH5にまで薄めるのに
蒸留水で薄めようと思うと30Lの水が必要になります。
ところがこれを唾液で薄めると
わずか30mL程ですむと言われています。
その差は1000倍です。
そして、もし口の中がアルカリ性に傾いたとしても
唾液はそれさえも中和してしまう力を持っています。
また、歯から分解されたリン酸イオンとカルシウムイオンが
中性に近づくと歯にまた取り込まれるという話でしたが(再石灰化)
分解された成分が唾液で流されたら
取り込みたくてもとりこめませんよね?
それでも再石灰化が行われるのは
唾液の中にも同じ成分が含まれているからです。
しかも唾液にはリン酸イオンとカルシウムイオンが
リン酸カルシウムに対して過飽和の状態で含まれているというのです。
過飽和というのは溶けていることのできる量の限界を超えている状態!
なのでいつでもきっかけがあれば
リン酸カルシウムになりやすい状態にあると言うことです。
歯の修復を強力に助けてくれるのはこのおかげなのです。
ちなみにカルシウムが不足すると歯が弱くなると言うのは
唾液に含まれるカルシウム量が減ってしまうからです。
また唾液には殺菌抗菌作用を持った成分も含まれており
白血球や抗体などの免疫細胞も含まれています。
ほら、唾液ってそんなに汚いだけの物ではないでしょう?(笑)