唾液と虫歯の心地よい関係
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2010年10月19日
先回、噛む回数が減り、唾液の分泌量が減り
結果的に虫歯が増えてきたという話をしました。
でも、唾液と虫歯の関係?
ちょっとピンとこないという方がいらしたので
その仕組みをお話しします。
歯は身体の中で一番固い部位で
鉄よりも固く、およそ水晶と同程度の固さがあります。
歯を削るためにはそれ以上の固さの物でないと削れないので
歯医者さんで歯を削るときに使う機械には
ダイヤモンドの粒が装着されています。
その歯に穴があくのが虫歯なわけですが
なんでこんなに固い物に穴があくのかというのは
「溶かしている」からです。
鉄の板に物理的に穴を開けようと思うと一苦労ですが
酸で腐食させれば難しいことではありません。
歯の主成分はハイドロキシアパタイトですが
これはリン酸カルシウムがからできておりとても酸に弱く
口の中のpH(酸性度)が5.5より低くなると
リン酸イオンとカルシウムイオンになって溶け出してしまいます。
これが虫歯のでき方で
口の中の細菌が糖を分解し酸を出すことで
歯を溶かしていくことによってつくられます。
食事を食べる度に口の中は酸性に傾くのですが
これを中性(pH7)に戻してくれるのが唾液なのです。
中性に近づくと、当然歯は溶けなくなり、
それだけはなく分解されたリン酸イオンとカルシウムイオンがまた歯に取り込まれ、
溶け出した歯を修復してくれます。
これが唾液のもつ
虫歯抑制力の仕組みです。
なので唾液の分泌量と虫歯とは密接な関係にあり
虫歯が夜つくられるというのも
唾液の分泌量が減るからなのです。
次回はこの唾液のすごさについて
もう少しご紹介します。