膨大な情報から味覚を抜き取る
湘南元気村ヘルスアドバイザー楠です。
先回は、良く噛んで食べることが
食事をおいしく食べる事にもつながるというお話でした。
今日はそれに加えて
さらに味わって食べるためのポイントです。
それは意識です。
人は5感から常にものすごい量の情報が入ってきています。
でも、この情報量に対応するために
自分にとって重要度の低い情報に関しては
自動的に切り捨てるように
脳の仕組みがそうなっています。
たとえば通勤の時、
すれ違う人の表情、雰囲気、服の色
通り道のお店の看板
車の走り抜ける音、顔に当たる風
全て思い出せますか?
でもそれらは全て情報として
あなたの五感から入ってきているはず。
そうでなければ、歩いている人とぶつかっちゃいますよね。
でも、その膨大な情報を脳が自動で選別し
重要でないと判断した物を
切り捨ててくれているのです。
でも、ここで
「朝食食べてなかったなぁ。なにか美味しいものないかなぁ」
と考えていると
食べるものの重要度がくーんと急上昇。
早速脳は、食べ物の情報を収集し始めます。
それで普段見落としていたお店や看板まで
目に付くようになるのです。
それでは話を食べることに戻しましょう。
あなたにとっての「味わって食べる」ということの重要度って
どれくらいでしょう。
これが人生最後の食事だ・・・とか
これを食べて評論してください!という
シチュエーションでない限り
重要度は飛び抜けて高くはないはず。
ということは、その重要度に応じて
おいしさの味覚情報が切り捨てられている可能性があります。
重要度は意識です。
そこに意識を向ければ
脳にとっての重要度が高まります。
一度、味に集中して
食材一つ一つの味を味わいきるくらい
味覚への感覚に意識を澄ませて見てください。
むしろ、これが人生最後の食事だと思って
味わってみてください。
今まで情報としては入ってきていたのに
脳が切り捨ててしまっていた味覚情報が
ガンガン入ってきます。
すると、ご飯ってこんなにおいしかったっけ。
こんな味がするんだ・・・という
発見があると思います。おもしろいですよ。
よく味を評論する人が
目を閉じながら味わっていることってありますよね。
あれは味覚に集中するために
自然と目から入ってくる情報を遮断するために
目を閉じるんですね。
五感から飛び込んでくる膨大な情報の中から
味覚だけを切り出しているのです。
始終そうやって食べるわけにもいきませんが、
ゆっくり良く噛んで食べること自体
自然に味へ意識がいくようになるので
そういう意識で食べてみると
食事の味わいの深さが深まっていくと思います。
食欲の秋。
是非、この秋の味覚を逃すことなく
味わいきってください。